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アルバムレビュー:夜明けのリフレイン
都市の余韻を描いた全10曲を、音像と物語の視点で読み解く。
イントロのシンセが立ち上がる瞬間から、今作は「夜明け」というテーマを一貫して描いています。柔らかなパッドの上に細いギターが重なり、A面は都市の静けさを、B面は人の記憶を辿る構成です。
トラック1〜3:景色を立ち上げる
冒頭の3曲はテンポを抑えながらも、キックの配置に細かな揺れがあり、夜明け前の不安定さを感じさせます。特に2曲目のベースラインは、歌詞の「窓の向こうに滲む光」と呼応していて、音像と物語が自然に重なります。
トラック4〜7:声と距離感
中盤ではボーカルのリバーブが意図的に深くなり、距離感が強調されます。ここはリスナーに解釈を委ねるパートで、同じフレーズでも聴く環境によって印象が変わるはずです。ヘッドホンで聴くと、声が空間の中心に浮かび上がるのがわかります。
トラック8〜10:夜明けの到達点
終盤はドラムが前に出て、朝のざわめきが立ち上がります。ラスト曲のコーラスは合唱ではなく、複数の声を重ねた疑似的なハーモニーで、個々の感情が一つの風景に溶ける様子を描いています。
総じて、夜明けの時間帯に流すと、音楽のテーマと生活の温度が重なり合います。次に続くインタビュー記事では、このアルバムがどのように生まれたのか、制作背景を掘り下げます。